2007年12月4日火曜日

ファインマン物理学Ⅳ第3章 導波管(本文)

http://file.buturi.blog.shinobi.jp/Feynmanhonbun4_3.pdf
第3章 導波管(本文)

3-1 伝送線

内部の導体が薄い中空の円筒であり
外部の導体も別の薄い中空の円筒で内部導体と同じ軸をもつ
伝送線を考える.

単位長さあたりの
インダクタンスを$L_0$,
キャパシタンスを$C_0$
とおき,電圧,電流の満たす微分方程式
\[
\frac{\partial V}{\partial x}=-L_0\frac{\partial I}{\partial t}, \hspace{1cm}\frac{\partial I}{\partial x}=-C_0\frac{\partial V}{\partial t}
\]

を求めた.
それから電圧,電流の各々は波動方程式を満たすことを導いた.
波の速さは
\[
v=\frac{1}{\sqrt{L_0C_0}}
\]
となった.

伝送線の各々の波に対する電圧は電流に比例し比例定数はその
特性インピーダンス$Z_0=\sqrt{\frac{L_0}{C_0}}$に等しい.

同軸ケーブルについて
単位長さあたりのインダクタンス$L_0$と
キャパシタンス$C_0$を求めた.
インダクタンスは磁気的エネルギー$\epsilon _0c^2B^2/2$が
$LI^2/2$に等しいとおいて求めた.
\[
L_0=\frac{\log (a/b)}{2\pi \epsilon _0c^2}
\]
となった.
\[
C_0=\frac{2\pi \epsilon _0}{\log (b/a)}.
\]
よって
$v=\frac{1}{\sqrt{L_0C_0}}$は$c$に等しい.

3-2 矩形導波管

管の長さの方向に$z$軸をとり,
$x, y$は2つの側面に平行とする.

$\mathbf{E}$が$z$に垂直で$y$成分のみを持つ解を探す.

\[
E_y=E_0\sin k_xxe^{i\omega t-k_zz}
\]
という形をもつと仮定する.
$k_xa=n\pi$ならば導体のところで接線成分を持たない. $n=1$とする.
マクスウェルの方程式
\[
\frac{\partial ^2E_y}{\partial x^2}+\frac{\partial ^2E_y}{\partial y^2}+\frac{\partial ^2E_y}{\partial z^2}-\frac{1}{c^2}\frac{\partial ^2E_y}{\partial t^2}=0
\]
を満たすという条件より
\[
k_z=\sqrt{\omega ^2/c^2-\pi ^2/a^2}
\]
$\lambda _g$を$z$方向に沿う波長とすると
\[
\lambda _g=\frac{\lambda _0}{\sqrt{1-(\lambda _0/2a)^2}}.
\]


3-3 遮断周波数

周波数が臨界周波数$\omega _c=\pi c/a$より小さくなると$k_z$は虚数になる.
臨界周波数より低い周波数の波は指数関数的に減少する.


3-4 導波管内の波の速さ

位相速度は
\[
v_{\mbox{phase}}=\frac{c}{\sqrt{1-(\omega _c/\omega )^2}}.
\]
群速度は
\[
v_{\mbox{group}}=\frac{d\omega }{dx}=c\sqrt{1-(\omega _c/\omega )^2}
\]
よって位相速度と群速度の幾何平均は光速度に等しい.

運動エネルギーと運動量はに
\[
U^2=p^2c^2+m^2c^4
\]
の関係がある.
これに$U=\hbar \omega , p=\hbar k$を代入し変形すると
\[
k=\sqrt{(\omega ^2/c^2)-(m^2c^2/\hbar ^2)}
\]
となる.

管を伝わるエネルギーは
\[
\frac{dU}{dt}=\epsilon _0E_0^2abv_{\mbox{group}}.
\]



3-5 導波管の結合

管の端が反射波を生じるように終わっているとする.
検出プローブを管に沿って動かすと検出器の読みは周期的に変化し
2つの相次ぐ節の間の距離は$\lambda _g/2$.



反射波が生じないように導波管を止めるためには特性インピーダンスと同じ役目を導波管に対して
する無反射端が必要.

三つのものを接合するときにはT型導波管を使う.

方向性結合器はある向きに進む波があれば間の波の微小部分が出てくるが,逆向きに波が進んでいれば出てこないようなもの.

3-6 導波管のモード

矩形導波管では我々が調べたTEモードに比べて他のすべてのモードはより高い遮断周波数を持つ.
周波数が最低のモードの遮断周波数のすぐ上で他の遮断周波数より下となるように導波管を使い
唯一つのモードだけを伝達させることが可能.


3-7 導波管の波に対する別の観点

場の源は管の中置かれた鉛直な針金とする.
針金の場にたいして
場はすべて管の幅と同じ間隔を持った交互に逆向きに置かれた無限の波源の列と同じ.
線状の波源の格子による静電場は格子から指数関数的に減少する項を除けば
帯電した板の作る場と同じ.
ここでは波源は一つおきに符号が変わっているので場は指数関数的に減少する.
周波数が小さいときは静電近似はよい.

逆の問題にぶつかる.何故波が伝わるか?
第Ⅱ巻第4章で
いくつかのアンテナを組み合わせると一方向には強い信号が出て他の方向には信号が出ないような干渉パターン
を作れるということを知った.
その考えを用いて何故波が伝わるかを説明した.

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